勉強のためにWordPressブログを始めたが、それにしたってサーバ代くらい回収したい。
それで広告を貼ってみたのだが、思いがけないことが起きた。
自分で貼った広告が自分のブラウザの広告ブロッカーにブロックされるという事態である。

「広告ブロッカーを入れながら広告を貼る」というのは矛盾しているのだろうか?
という気分になったが、この2つは必ずしも矛盾しない。
自分の考える「広告の貼り方」について考察するきっかけになったので、ここにメモしておく。
嬉しい広告と嬉しくない広告 (広告は必ずしも悪ではない)
嬉しい広告
嬉しくない広告については語りつくされている感があるから、嬉しかった広告について語ろう。
本文に関係する商品を紹介してくれる
記事本文の一部になっている広告なら、それはむしろウェルカムだ。欲しいと思ったらそのまま買いに行けるから手間がない。
アフィリエイターの書く記事のほか、
書評サイトALL REVIEWSなどはわかりやすい一例だろう。
書評そのものが読み応えがあり、紹介された本をそのまま買いに行くことに抵抗がない。
広告そのものが美しい
子供のころ、特定の新聞広告や雑誌の裏の広告を眺めていた経験はないだろうか?
私は宝石屋の広告を延々眺めることがあった。
フォトジェニックな広告はそれ自体に美的価値がある。
商品自体が美しいものはもちろん、美しくイメージ化できているものも魅力がある。
いまだとInstagramでの広告がそれに近いかもしれない。映え。
物語性が感じられる
上と被るが、物語性のある広告は人を引き込むパワーがある。
その商品を使った時の生活や、
その商品を使うことによる、個人を超えた効果(例:環境保護できるとか)がイメージできる広告は、おもしろい。
制作秘話のような、作り手側の物語が感じられるものも魅力的だ。
IKEAのカタログ、私はめっちゃ好き。
シンプルさを生み出すためのデザイナーの工夫が感じられて面白いから。
嬉しくない広告
逆に、じゃあどんな広告が嬉しくないのか。
本文に関係のない広告は困る

こちら↑の記事に事例があるが、「うざい」広告というのは、おおよそ「読者が今読んでいることに関係の薄い」広告のことである。
どうして本文に関係のない広告が出てくるのか
広告の出し方が何によって変わるかというと、ターゲットの関心の高さだ。

facebookの広告は読者の属性に合わせてかなり細かく出し分けられているし[1]、リピーター向け広告なんかがあるのもわかる。
問題はおそらく「無関心層向け」の広告。
とにかく読者に知られないと始まらないため、単純接触効果を狙って、とにかくどこにでも広告が出される。
これがおそらく「うざい広告」の正体の半分くらいだと思う。
読者目線で言えば、広告をブロックしたいのではなく、記事本文と関係ないものをブロックしたい。
記事本文が語るストーリーと、広告が語るストーリーとが相反しているものは特に困る。
法学系アプリに出てくるアダルト広告とかね……
広告ブロッカーとその巻き込み (広告ブロッカーもまた悪ではない)
アドブロッカー(広告ブロッカー)とは
アドブロッカーとは、ブラウザ上などで広告などを表示されないようにするソフト。
私はuBlock Originを使っている。無料だけど軽くて優秀。
私がアドブロッカーを必要としている理由
私はアドブロッカーを外せない。本文を読むことに集中したいから。
動くもの、こちらの操作を必要とするもの、きらびやかなものは確かに目を引くが、その分、読むことを強烈に邪魔してくる[2]。
Webが広告で成り立っているのは百も承知だが、アドブロッカーなしには記事本文をまともに読むことができないから、仕方なく入れている。
広告ブロッカーによる巻き込みブロック
ところが広告ブロッカーによって、有用なコンテンツまで非表示になっていることがたまによくある。
これを「巻き込みブロック」と呼ぼう。
その結果、記事本文と関係のあるもの、記事本文の語るストーリーに歯抜けが出てしまうわけだ。
これはこれで困る。
アドブロッッカーは一定のフィルタに従ってコンテンツを表示しないようにしている。
そのフィルタがきつすぎるのが原因だ。
もちろんユーザの設定次第でブロックの緩さを変えられるが、すべてのユーザが設定を変えているわけではない。
もしもアフィリエイトの「かんたんリンク」等がブロックされるべきもののようには思えないが、巻き込まれてブロックされることもあるのだ。
ユーザ側で巻き込みブロックを回避する方法 (uBlock Origin)
ところでuBlock Originのデフォのフィルタではキツすぎるので、「豆腐フィルタ」というフィルタを入れるとちょうどいい、という情報を得た。
2021年11月14日現在の豆腐フィルタの入れ方は以下の通り。
- uBlock Originをブラウザに入れる
- GitHubの豆腐フィルタのページへ行く
README.md
内の「フィルタを購読する」をクリック- 右上の方の「登録する」をクリック
そして、uBlock Originのダッシュボード→「フィルター一覧」から「JPN: AdGuard Japanese」等の日本語用フィルタを外すと、かんたんリンクが表示されるようになった。
まとめ:相手の関心に寄り添う
無関心層に向けた無差別広告がなくなるとは思わない。
「とにかく目に触れる」は、必要だし、今後もなくならないだろう。
でも、それに頼ったWeb記事の在り方は、今後広告ブロッカーに淘汰されてしまうのではないだろうか?
ならば、読者の興味に寄り添って記事を作り、それに沿った広告を貼ることが重要なのだろう。
読者の興味の糸をつなげる
「紹介できる商品」についてダイレクトに語ることの他にも、
「自分の語れること」が「紹介できる商品」と少し離れている場合に、読者の興味の糸をうまく商品につなげられる人は、いる。
おそらく、記事本体と広告とのあいだで、メインプロット⇔サブプロット関係(あるいはその逆)を作り、一つの物語として語るのが上手いのだろう。
そういう人は優れたストーリーテラーだと思う。
読者の関心と、自分の語れることをうまく結び付けられるか……上手くなりたいものだ [3]。
ちょっとだけ参考にした本
広告料によって新聞購読料を安くするビジネスモデルを作りつつも、無料にはしなかった新聞王ジラルダンについての鹿島茂先生の論考『無料はパリから始まった 1836年の広告革命』などが収録されている。
脚注
- それはそれでプライバシー握られてる感があって怖いのだが[↩]
- これは私がADHD傾向も持っていることに由来するのかもしれない[↩]
- 読者の関心に寄り添えるかどうか、はASD傾向を持つ私の生涯課題でもある。上手くなりたい[↩]